遅ればせながら、青色LEDの研究で日本人3氏がノーベル物理学賞を受賞しました。おめでたい限りです。
その中で赤崎氏は85歳と高齢ですが、中村氏は60歳、天野氏は54歳で、「しらけ世代」と言われ、20代でバブルを経験した世代になります。
近年「日本人が世界で活躍するには日本人の誇りが何より大事」と言う論調が非常に盛んですが、この世代は、私の少し上に当たり、反日反戦教育真っ只中に育ったはずです。また最近はやりのいわゆる従軍慰安婦問題の初報道は1982年ですから、おそらくお二人とも、20代のころにこの報道を、「歴史的事実」として聞き、その中で国際的な仕事を行ってきたということになるのでしょう。
お二人は少数の例外と言う説も成り立つには成り立つでしょうが、それにしてはお二人そろって活躍しすぎで、本当のところ、歴史教育などというものは、言われているほど日本人が世界で活躍する能力とは関係ないということなのではないでしょうか(正直言って、「社会」とか「歴史」とかを学生のころそんなに真剣に勉強した人って、あんまりいないですよね?)。
非常にそもそもなのですが、科学者として大成するために必要なのは、普通に考えて数学、科学の能力で、それに国語や外国語、後はもろもろの人間力が加わるのでしょうが、これらの分野で学ぶべきことは膨大かつ多岐にわたり、習得に多大な時間と努力を要し、そんな中で、歴史的事実の一つや二つどう教えようが、大勢に影響があるはずがないのは当然といえば当然といえます。
我々の子供たちの世代に、世界で活躍できる能力を身に着けて欲しいと真剣に思うなら、「歴史」と言うたった1科目の、ほんの一つ二つの事実をどう教えるかに血眼になるのではなく、正の数負の数にはじまり微分積分に至る様々な数学的概念をいかにうまく伝えるか、ニュートン力学から電磁力学に至る物理的感覚をいかに理解してもらうか、そもそも外国語というものをどう分かってもらうか、歴史についてなら、古代文明からギリシャローマそして中世を経て近代・現代と人間がどういった成功とどういった失敗を繰り返して現代の社会に至ったのかを考える歴史的思考をどう伝えるのかを、一つ一つ工夫し、よりよい教育方法を作り上げていくことの方がずっとずっと重要だと思います。
そしてそれ以前に、まずはすべての子供たちに、きちんと勉強できる環境を用意することこそが、いま私たちの世代が、何をおいてもやらなければならないことでしょう。
少年老い易く学成り難し
私たちがすべての子供たちに、十分な、質の高い教育を与えることができるために残された時間も、そう長いわけではありません。些末な事柄にこだわることなく、教育全体の質を上げる努力を、行うべきものと思います。
米山隆一様
貴殿の海外での経験がどれ程の物か知る由もありませんが、アメリカの、しかも上流階級しかご存じないのでは?貴殿にとって「国際社会イコールアメリカのセレブな社会」と言う背景が垣間見えるような気がします。
~近年「日本人が世界で活躍するには日本人の誇りが何より大事」と言う論調が非常に盛んですが、この世代は、私の少し上に当たり、反日反戦教育真っ只中に育ったはずです。また最近はやりのいわゆる従軍慰安婦問題の初報道は1982年ですから、おそらくお二人とも、20代のころにこの報道を、「歴史的事実」として聞き、その中で国際的な仕事を行ってきたということになるのでしょう。
~中略~
本当のところ、歴史教育などというものは、言われているほど日本人が世界で活躍する能力とは関係ないということなのではないでしょうか
~中略~
そんな中で、歴史的事実の一つや二つどう教えようが、大勢に影響があるはずがないのは当然といえば当然といえます。~
については異論があります。私は天野教授と全く同い年ですが、仰るとおりの反日、反戦、自虐歴史教育環境で育ってきました。そして20代後半から30代前半に韓国、中国2地域、マレーシア、ドイツの工場をゼロから立ち上げ、技術移転する業務に携わって苦労してきました。その中で色んな事がありましたが、最も屈辱的だった事は、韓国での労働争議において18歳の小娘達に「日帝36年の怨み」とのシュプレヒコールを浴びせられた事です。それ以外にも反日感情に晒される日々でしたので、歴史を改めて勉強し直しました。また、ドイツではヒトラーやナチスの話は禁句です。良識を疑われます。
話は変わりますが、貴殿はフィンランドやバルト三国、トルコ等のロシアと敵対的な隣接国が親日国家である事とその理由をご存知ですか?お教えしませんのでご存知なければお調べ下さい。この様な歴史的背景についての常識を持たないで外国人と関わっても、気配り上手なお付き合いは出来ません。
~歴史についてなら、古代文明からギリシャローマそして中世を経て近代・現代と人間がどういった成功とどういった失敗を繰り返して現代の社会に至ったのかを考える歴史的思考をどう伝えるのかを、一つ一つ工夫し、よりよい教育方法を作り上げていくことの方がずっとずっと重要だと思います。
そしてそれ以前に、まずはすべての子供たちに、きちんと勉強できる環境を用意することこそが、いま私たちの世代が、何をおいてもやらなければならないことでしょう。
~中略~
私たちがすべての子供たちに、十分な、質の高い教育を与えることができるために残された時間も、そう長いわけではありません。些末な事柄にこだわることなく、教育全体の質を上げる努力を、行うべきものと思います。~
についてはその通りだと思います。語呂合わせで無理矢理、1年も間違えずに年号を覚える事に必死な歴史教育は間違っています(鎌倉幕府成立年も変わりました)。歴史には連綿とした必然があり、その時代背景や事象に至る経緯を教えるべきです。数学で公式を無理矢理暗記するか、忘れても自分で公式を再構築できるかの違いと同じです。是非とも未来有る子供たちの教育政策の青写真や設計図をお示し願いたい。
ところで、「国際家族農業年」の資料に目を通して頂けましたか?農業政策やTPP問題についても設計図を拝見したいと思います。
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