我が家のすぐ近くに、おそらくはもう10年近く建設が中断しているバイパスがあります。
この度、そのバイパスの工事再開に、地元の自民党衆議院議員と参議院議員がそろって陳情に行くことになり、そのために現地を視察することになったから、地元の署名をしてくれと、地域の役員から言われました。
まずもって、「いや普通、地元の署名が集まったから視察に来て、視察の結果必要と判断したら陳情に行くんじゃないでしょうか?陳情に行くことが決まってから視察に来て、そのために署名を集めるんじゃ本末転倒もいいところでしょう。」とは言いたくなります。
しかしそれはそれとして、この典型的な自民党政治は、いったいいつまで続くのか、彼らは本当にこの地域を何とかする気はあるのかと、心から問いたくなります。
世の中に、無駄なものはありません。このバイパスの完成部分は、川沿いの散歩道が雪で埋まったときの、我が愛犬ジローと私の散歩道でもあります(笑)。地域の生活道路である国道352号線が何らかの災害で使えなくなったとき必要だといわれれば、それを否定することはできません。
しかしその論理が通るなら、日本中の生活道路のすべてを複線化しなければならなくなります。そしてひとたび道路を作ってしまったら、その道路の補修費用は、その後ほぼ永遠に国と自治体に重くのしかかります。それらの費用はあまりに膨大で、日本と地域に必要な費用-介護と、年金と、教育と、農業と、そして新たな仕事を作るための費用を、すべて奪ってしまいかねません。
日本中の多くの地域で自治体消滅の危機が叫ばれている中で、我が実家のある集落も、いまや新入学生が一人もいない年の方が多い、高齢化の進んだ限界集落となっています。その限界集落に、他の何をもおいてまず道路を、しかもすでにある道路の複線化を行おうとする、「地元を愛する」自民党国会議員の先生方の行動には、疑問を投げかけざるを得ません。
私は断言します。わが集落にとって喫緊の課題は、道路ではありません。「現金(年金)収入のすくない高齢者の介護」と、「米の価格下落による兼業農家の生活苦」です。そしてそのいずれに対しても、自民党は、介護費用の削減と、減反政策の突然の中止を打ち出しており、むしろ状況の悪化にかじを切っています。そしてこれに続く課題である「若者の働く場の不足」と「都会と地方の教育と情報の格差」には何ら有効な手を打とうとする気配すらありません。
与党の国会議員であるなら、もう私の後輩にあたる国土交通省のお役人に「陳情する」などと言う姑息なことをせず、正々堂々、自民党の部会なりなんなりで、地域の高齢者の暮らしと介護がいかに悲惨な状況になっているかを伝え、それを救うには、介護の充実のみならず、国民年金を受け取る人が年金だけで暮らせる状況を作らなければならないことを、大議論として展開すべきでしょう。国家としてTPPを推進するならするで、これまで国策として進められてきた稲作からの現金収入に頼る地域経済をどう救うのかの策を、地域の議員こそ出していただきたいものです。
そして地方衰退の根本的な原因となっている「仕事の不足」と「都会と地方の教育と情報の格差」をどう埋めるのか、その具体策を作成して実現すべく努力することこそが、地方選出議員の仕事でしょう。
国の定めた「地方切り捨て」と言える国策に代案を提出するどころか何一つ異を唱えず、ただひたすら「道路の陳情」を繰り返すことが、「故郷を愛する」ことであり、自民党の言う「地方創生」であるなら、この地域の未来も、日本の未来も拓けはしないと、私は思います。
以前このブログで書いた「ヨネノミクス」そしてこれから書く「ヨネケア」を実現し、仕事と教育の場を作り、本当にみんなが安心して暮らせる地域を作るために、私は私の立場で、全力を尽くしたいと思います。
初めて米山氏の思いにふれました。わかりやすくそして鋭い、好感しました。長島氏って地震のおかげでバッジをいただいている、ただそれだけの人なのですね。骨董品か、きょんしーか(笑)。
ここは愚直に森裕子さんに一歩譲るって、なかなかできることじゃない、深い所で政治家の矜持を感じます。ぜひ森さんの応援弁士として市役所前で一発やってください。自分は聞きに行きます。
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