ニュースの感想
消費税増税先送り解散騒ぎが日に日に大きくなっています。これはきっと、あるのでしょう。さてそんな中で私はこの消費税先送り騒ぎ、それ以前に「アベノミクス」は、「AKB(でなくてもいいんですが)に例えると、結構うまく説明できるぞ!」と思いつきました(ヒントは友人から頂きました。)。
今、まだブレーク前、鳴かず飛ばずで、AKB劇場でAKBが公演していると思ってください。それまでの野田支配人が業績不振でAKBのメンバーから不信任を突き付けられ(AKBのメンバーだって売れないと困りますから)、満を持して安倍支配人が登場しました。
登場するや安倍支配人は、AKB劇場売り上げ拡大3つの矢、「AKBノミクス」を打ち出しました。その内容は、
① いつでも使える無期限チケットをバンバン刷って、売りまくる。
② 地方で無料公演をやり、AKBのメンバーへのギャラは①のチケットで支払う。
③ ①②でお客が来ている間に、公演の質を向上する。
(④)①②③でAKB劇場の収支が改善したら、公演数を増やす(但し①②で刷った無期限チケット分なのでギャラは増えない)。
でした(④はAKBメンバーの負担になることなので、こっそりと掲げられました)。
③と④は分かるとして、①と②はいったい何?と皆さん、思われるでしょう。ところが意外にこれ、合理的でかつ、アベノミクス第1の矢「大胆な金融緩和」、第2の矢「機動的な財政出動」と一致します。
まず①ですが、100席の会場で年間10公演行い、年間のべ1000席がある場合は、通常チケットを1000枚刷ります(当たり前です。)。しかし、チケットに期限がないなら-いつでも使えるなら、公演数・席数以上にチケット売っても、公演のその日に実際に見に来る人は限られているわけですから、特段の問題を生じません。買った方も、「いつでも使える」と思えばかえって使わないものです。安倍支配人は、あちらこちらで無期限チケットを売り歩き、あっという間にAKB劇場の売り上げを倍加してしまいました。
AKBのメンバーたちも、「前の野田支配人はまじめだったから、100席の公演に100枚のチケットしか売らなかった。でも実際に見に来てくれるのは50人で、会場はガラガラ。寂しかったわ。その点安倍支配人はさすがね。年間1000席しかない公演のチケットを年に2000枚も売って、おかげで会場はほとんどいっぱい。支配人はこうでなくっちゃ。」とその評価はうなぎのぼりになりました。
そしてさらに良いことに、この「好きな時にいつでも行ける」AKB劇場無期限チケットの人気が徐々に高まり、デパートの贈答品売場で売られる状態にもなってきました。
さて辣腕安倍支配人はここで手をゆるめません。②として、太っ腹、あちらこちらの地方で無料公演をしてAKBの人気を高める作戦に出ました。無料公演ではギャラが払えないでしょうって?大丈夫です。AKBのメンバーへのギャラは、①の無期限チケットで払うことにしたのです。幸い①の作戦が奏功して、今やAKB劇場の無期限チケットは、デパートの贈答品売場でも売られています。AKBのメンバーも、金券売場に無期限チケットを持ち込むことで、簡単に換金できるので、さしたる不満は出ませんでした。
ある日奈良で行った無料公演の打ち上げでで、安倍支配人は、AKBのメンバーを前にして言いました。「無料公演はつらいかもしれません。でもこれは一時的なものです。これで人気が出れば、やがて自律的な人気上昇の波に乗り、どんどんお客さんが来て、皆さんの給料も上がるようになります。『柿食えば、(AKBの)株が上がるぞ 奈良の街』ですよ。わはははは。」
こうして順風満帆に見えた安倍支配人ですが、着任2年、どうも様子が変わってきました。①の無期限チケットはそれほど変わらず売れるのですが、ただ単に贈答用に売り買いされているだけで、一向にAKBの人気が上がってこないのです。劇場も8割がたは人が入っているのですが、どうもスーツを着た接待のお客さんばかりで、もっといていいはずの鉢巻を巻いたお兄さん達が見当たりません。②の地方巡業も繰り返しているのですが、地方に行くたびに来てくれるのは、今度はつなぎの作業服を着たおじさん達がほとんどで、やっぱり鉢巻のお兄さん達がいないのです。その上AKBのメンバーたちの間でも、「最近金券ショップに行っても、AKB劇場の無期限チケット、いっぱいあるから、もういらないよ、って言われるのよねー。この前なんか買ってくれるところ見つけるまでに、3つも店を動いちゃった。そろそろ現金で払ってよ。」と不満が上ってきました。
でもそれは、2年間①②にかまけてろくに③の努力をしなかったのですから、当たり前なのですが、AKB劇場における安倍支配人の絶大な権勢の前に、誰もそれを言い出せなくなっていたのです。
このままではいけません。安倍支配人はここで一気に新たな策に打って出ました。会計の黒田課長に、「今までは無期限チケットを年に2000枚しか売らなかったからいけなかったんだ!これからは年間4000枚刷って、売って売って売りまくるぞ!」とぶち上げさせたのです。
AKB劇場の社員、特に経理の担当者は仰天しました。今でさえ市場には、実際にAKB劇場が提供できる年間のべ席数の倍のチケットが流通しています。これからそれを更に倍にしたら、すぐに市場には、AKB劇場が提供できる席数の4倍、5倍のチケットがあふれるでしょう。今はいいですが、やがて、3連休の中日やゴールデンウィークに、チケットを持ったお客さんが殺到し、公演を見ることができない人であふれる事態が生じかねません。その時、今や贈答用として金券代わりに流通までしているAKB劇場無期限チケットの価値は地に落ち、金券ショップで投げ売りされる事態が生じかねません。そうなったらAKB劇場は破滅です。青ざめた経理課の職員たちは、陰に陽に、安倍支配人に④の公演数の増加を約束通り実施するように求め、安倍支配人も④を実施せざるを得ないよなと、その準備を始めていました。
ところがこれが、AKBメンバーの不評を買ったのです。彼女たちにしてみれば、今でさえ多い公演と地方巡業に、さらにギャラも増えないのに公演数を増やされるのではたまったものではありません。おり悪く、安倍支配人の側近であるAKB劇場の取締役の経費の不正利用が発覚したこともあって、今まで盤石だった安倍支配人の求心力に揺らぎが見え出したのです。
すると安倍支配人、ここでもさらに新たな手に打って出ました。なんと「総選挙」です。安倍支配人はAKBのメンバーを集めて、大きな甲高い声で演説を始めました。「皆さん、公演数は、皆さんが決めるんです。私は公演数増の先送りをお約束します!誰が支配人にふさわしいか皆さんが選んでください!」…。
如何でしょう?もちろん色々デフォルメしていますが、これが今日本に起こっていることの概要ではないかと思います。負担増先送りを打ち出して「総選挙」に打って出た安倍支配人がAKBのメンバーの圧倒的支持を得て支配人に再任される可能性が高いことは、否めません。
しかしそれは、自ら市場にばら撒いた無期限チケットをどう回収するのかという問題を、この問題についてあまり詳しいとは言えないAKBのメンバーに丸投げしたうえ、この無期限チケットを履行できない「クラッシュ」が生じないための対策をどうするのか、万が一「クラッシュ」が起きた場合どう対応するのか、そして何より、一体全体2年前からとんと行われていない③の「公演の質の向上」をいったいどう実行してAKB劇場の人気を高めるのかのすべてについて、棚上げしてしまうことであり、「支配人としての職責の放棄」以外の何物でもないように思います。
繰り返し、おそらくこの「総選挙」でAKB劇場内の安倍支配人の権力は再び絶大なものになる可能性は、高いでしょう。しかしそれは、AKB劇場が抱えている問題を、何一つ解決するものではなく、AKB劇場の人気を高めるものでもありません。
このような奇策や権力維持にうつつを抜かして③を怠っていると、移ろいやすい顧客の人気は、世の中にあまたある他の劇場に、移りかねませんよ、世界には、地道に頑張るモモクロ劇場も、ドハデに売り出すハリウッド劇場もあるんですからと、一ファンとして危惧します。
お断り:
本稿におけるAKBは「A(あべ)K(くろだ)B(ばんど)」の略号で、秋葉原の略であるAKBとは何の関係もありません(笑)。秋葉原の方のAKBファンのみなさん、メンバーの皆さん、関係者の皆さん、紛らわしい略号を使って申し訳ありません。冗談ブログの一つということで、ご容赦ください。
安倍・黒田両氏に疑問を感じている人は多いはずです。昭和時代の硬貨がいまだに普通に使われている国、日本。それだけ物価は安定し、国民の貨幣への信用も厚いのではないでしょうか。
解散後の選挙ではぜひ米山さんに出馬していただきたいです。マスコミが消費税を上げられて文句を言う主婦の姿をまったく放送しないのも不思議です。米山さんが「消費税を5%に戻します」と演説したり、パンフを配れば、今回こそ念願の初当選となりそうです。
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