活動報告

おおさかの夢と現実 ~解党届の実務~

  • 米山 隆一
  • at 2015/10/23 18:42:24

 「おおさか」維新の方々は、米山弁護士のブログの反論も読まず(苦笑)、郷原弁護士の意見書にも耳を貸さず、ともかく自らの思い込みが正しいことを一片も疑うことなく、明日勝手に臨時党大会を開いて、解党を決議し、週明けの月曜日26日に解党届を出すおつもりとのことです。

 思い込みの夢の世界に住む方々に、現実の世界から何を言っても届かないことにはもうあきらめの心境なのですが、百歩譲って、解党届をどう出すのか、考えてみましょう。

 政党に関する法律は複数存在し、解党届も複数提出する必要があるのですが、政党の法人格を消滅させる解党届は、当然法人としての政党の代表者が届けなければなりません。この政党の法人格及びその代表者の規定は、「政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律」通称「政党法人格付与法」に定められています。

 まず解散届についてですが、この政党法人格付与法10条において「代表権を有する者の記名押印した書面」を添付しなければならないと定められています。

 次に「代表権を有する者」は、登記事項ですので(同法7条)、登記後でなければ第三者に対抗できません(同法4条)。

 そうすると、「解党届」を出すには、少なくとも登記上現代表の松野さんの名前で解党届を作成・提出するか、代表を馬場さん(と聞いています)に変更する届を作成・提出したうえで、馬場さんの名前で解党届を作成・提出することになります。

 そして代表の変更登記には、代表権の変更があったことを証する「代表権を有していた者及び代表権を有するに至った者の記名押印した書面」が必要(同法7条の2)ですから、「おおさか」の主張を前提とすると「代表権を有していた者」である松野さんの記名捺印した文書が必要ということになります。

 馬場さんが、自分の思い込みの夢の世界の世界観に基づいてどのような届を出そうが馬場さんのご自由ですが、松野さんにその意思がないにもかかわらず、松野さんの記名捺印のある解散届若しくは代表権の変更があったことを証する書面を作成・提出するなら、それは明らかに有印私文書偽造・同行使であり、明白な犯罪行為です。そのような行為が確認され次第、維新の党としては厳正に対処せざるを得ませんし、当然そうさせていただきます。

 繰り返し、おおさかの方々が、自分達の思い込みの夢の世界で何を主張されようが、もうどうぞご自由にと諦観とともに思いますが、夢の世界は夢の世界、登記という現実の世界でルール違反を犯すなら、その責任は自ら取っていただくほかありません。かつての同志たちが夢から覚めて現実に目を向けることを、心より祈ります。

-----------政党法人格付与法抜粋----------------------

(法人格の取得等)
第四条   
1 中央選挙管理会の確認を受けた政党は、その主たる事務所の所在地において登記することにより、法人となる。
2  この法律の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。

(設立の登記)
第七条   
1 政党は、第五条第一項の規定による中央選挙管理会の確認を受けた日の翌日から起算して二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、設立の登記をしなければならない。
2   前項の規定による登記には、次に掲げる事項を登記しなければならない。
一   名称
二   目的
三   主たる事務所の所在場所
四   代表権を有する者の氏名及び住所
五   解散の事由を定めたときは、その事由
3   第一項の規定による登記の申請書には、第五条第一項の規定による中央選挙管理会の確認を受けたことを証する書面を添付しなければならない。

(変更の登記)
第七条の二   
1 第四条第一項の規定による法人である政党(当該政党が第三条第一項各号のいずれにも該当しない政治団体となった場合における当該政治団体(第十二条第一項の規定により法人でなくなったものを除く。)を含む。以下「法人である政党等」という。)において前条第二項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、その日の翌日から起算して二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、変更の登記をしなければならない。
2  前項の規定による登記の申請書には、前条第二項各号に掲げる事項の変更があったことを証する代表権を有する者の記名押印した書面(代表権を有する者の変更があった場合には、他に代表権を有する者があるときは当該変更があったことを証するその者の記名押印した書面とし、他に当該書面を作成することができる代表権を有する者がないときは当該変更があったことを証する代表権を有していた者及び代表権を有するに至った者の記名押印した書面とする。)を添付しなければならない。

(解散)
第十条   
1 法人である政党等は、任意に解散することができる。
2  法人である政党等は、前項の場合のほか、次の各号のいずれかに該当するときは、解散する。
一   党則等で定める解散の事由が発生したとき。
二   目的の変更その他により政治団体でなくなったとき。
3  法人である政党等が解散したときは、その日の翌日から起算して二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、解散の登記をしなければならない。この場合においては、解散の旨、その事由及びその年月日を登記しなければならない。
4  前項の規定による登記の申請書には、解散の事由の発生を証する代表権を有する者の記名押印した書面を添付しなければならない。


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