それで飽き足りないのか氏は、「【橋下徹さん後継】大阪市長。慰安婦像のサ市なんて、切っちゃえ!」「横浜市長の経験から、姉妹都市関係を解消したからといって特段の影響・実害はありません」と過激な科白を連ね、あろうことかサンフランシスコ市のメールアドレスを示して、そこに抗議のメールを送るように一般の方々に呼びかけています。
極めて迷惑な行動を煽動する極めて不見識な行為であり、中田氏の御人格がまさに表れておられると思いますが、良識ある方々は、サンフランシスコ市にとって迷惑なだけでなく、日本の評判を下げるだけで百害あって一利ないこの様な行為に、絶対に加担しないでいただきたいと思います。
中田氏に限らず、昨今流行りの「右」の方々は、なにか気に入らない事があると、自分たちの正義を振りかざして、大挙して抗議のメールや電話を相手に送りつけ、争い事を嫌う日本社会のなかで問答無用に相手に不利な状況をもたらして自らの主張を通す、所謂「電凸」という手法を使ってきました。そのような脅迫にも類似した手法が日本社会で幅を利かせていること自体極めて腹立たしいのですが、一万歩譲ってそのような手法に訴える動機に一部の理があったとして、その手法は、争いを問答無用で喧嘩両成敗にする日本社会のみにおいて通じるもので、日本人がアメリカ人に訴えるという状況においては、全く効果がないどころか、ほぼ100%逆効果になります。
自分たちに正義があると信じるのは、それはそれで良いとして、当然サンフランシスコ市にはサンフランシスコ市の、アメリカ人にはアメリカ人の正義と誇りがあります。そこに、自らの正義を信じ込んだ日本の一般人が大挙して上から目線で、かつ恐らく90%以上は極めて無礼どころか酔っぱらいの罵詈雑言レベルの英語力で、隠せない憎悪に満ちた説教メールを送って来たら、サンフランシスコの人は、カルフォルニアの人は、アメリカ人は、一体どう思うでしょうか?極めて強く気持ちを害し、日本人とは何と無礼な人間かと思うことはほぼ必定で、今を生きる日本人の名誉は大きく害されますし、従軍慰安婦問題はこじれるだけで解決に向けて一歩づつ進むことすら不可能になるでしょう。
サンフランシスコ市へ抗議メールを大挙して送りつける行為は、どれほど控えめに見ても、日本にとって百害あって一利ないものなのです。
日本人の先祖の名誉にあれほどこだわりながら、今を生きる日本人の名誉にこれほど無頓着なのは論理矛盾を越えて理解不能で、結局のところこの方は、今を生きる日本人の名誉はもとより、本当は日本人の先祖の名誉にすら関心はなく(従軍慰安婦問題を粘り強く解決しようなどと思っていないでしょう)、ただただ、「右」な方々に拍手喝さいを受けるご自分の名誉だけが大事なのだろうと思わざるを得ません。
繰り返し、サンフランシスコ市へ抗議メールを大挙して送りつける行為は、今を生きる日本人の名誉を大きく害し、従軍慰安婦問題をより一層こじらせてその解決を不可能とする、どれほど控えめに見ても、日本にとって百害あって一利ないものです。自らを良識ある日本人と思われる方は、絶対に加担しないでいただきたいと思います。
抗議は、正当にそれを行う権限があり、かつ適切な言葉を使ってそれができる行政・外交の専門家に任せるべきです。
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