世襲制制限については、いかにおかしい議論か(マイナーを承知の上で)主張させてもらっていますが、再度触れたいと思います。そもそもこの議論の裏付けにはイギリスの下院を例にされていることが多いのですが、何度も申し上げているように(原則として)世襲制の貴族院があるお国柄で、なんとか下院位は世襲に歯止めをかけようとするのは当り前のことでしょう。
日本にその特殊な例を当てはめようとすること自体、無理があります。それと選挙区を変えればいいという議論も全くナンセンスです。3バン(古いたとえで恐縮ですが)の内、地盤は変わっても、看板も鞄も引き継ぐことがなんで世襲制限になるのでしょうか?ましてや3親等云々については政党の候補者決定の現場プロセスを知らなさ過ぎるか、知っている上での議論なら国民を欺いているとしか考えられません。A代議士が、B氏(秘書、遠縁、一般人を問わず)に後継指名すれば、限りなく3バンはA代議士からB氏に引き継がれるのです。マスコミ・一般有権者からみえないところで政党関係者と”取引”でもされたら、公募の適格者で通ってしまうでしょう。世襲の弊害について言えば(特に首長の場合の弊害)”しがらみ一切”を継承すれば同じといえるでしょう。ですから世襲を排除するのではなく、いかにして世襲以外の人が立候補してくれるか、ということ、その環境づくりに知恵を出し合うことが先決、少なくとも並行して議論されるべきことでしょう。大体この民主主義の時代に立候補者の”血筋”で立候補を制限しようとする感覚自体が危険とは思わないのでしょうか?安直な有権者への迎合はあまりに問題があると強く訴えたいと思います。
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