昨日、政治評論家の長野祐也先生の旭日重光章受勲祝いを兼ねた「日本が動く時」の出版披露会がありました。
その長野先生のご挨拶の中で、「マニフェスト不況」という話がありました。世論調査をみても先の総選挙で有権者が民主党に投票した動機として「鳩山政権を望んだ、あるいは民主党のマニフェストを選んだ」という数字は低く、圧倒的に多かったのが「自民党にレッドカード=政権交代」ということだったといわれています。しかし民主党は総選挙時に掲げたマニフェストが100%国民の信任を受けたものと錯覚し、赤字国債を増やしてでも各政策を実現しようとするあまり、さらなる不況(=マニフェスト不況)を招く恐れがあるという内容でした。
私も全く同感です。果たして民主党に投票した人の内、何%の人が民主党のマニフェストを読み、その内容を支持していたのでしょうか? イギリスのマニフェスト選挙に例えるのはあまりにも危険です。欧米諸国の例を挙げる人もたくさんいますが、それなら「アメリカのオバマ大統領、マケイン候補のマニフェストの目玉は何ですか?」との問いに対し、おそらく専門の学者といえどもまず答えられないでしょう。そもそもアメリカの大統領選挙で「プラットホーム」という“公約”はあっても、イギリス式の「マニフェスト」というものはないのですから。
確かに選挙時に掲げた政策の実現は大切です。しかしあまりにもマニフェストにとらわれ過ぎると国益を損ないかねません。“マニフェスト神話論”からそろそろ卒業してほしいものです。
また、昨日は安倍晋三元総理や山口那津男氏(公明党代表)、渡辺喜美氏(みんなの党代表)、渡部恒三氏(前民主党最高顧問)など多くの方々が出席されていました。“時の人”の亀井静香氏(国民新党代表)は盛んに田中康夫氏(新党日本代表)にラブコールを送っていましたが、田中氏は与党より野党が似合う人だと私は思います。ブレず、すり寄らず、常にくらし目線の姿勢を貫いてほしいと思っているからです。
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