ご承知のように、ネット解禁のために与野党間でまとめた「インターネットを利用した選挙活動を可能にするための公職選挙法改正案」は廃案となってしまいましたが、それでも今回の参院選では、昨年の総選挙よりかなり一歩進んだネット戦術が随所に見られました。
政党のオフィシャルサイトで、党首をはじめとする党幹部の街頭演説のスケジュール等を公示日以降も更新するのは当り前となり、更新しなかったのは日本創新党一党だけ。また、今回の立候補者全員が公示日以降の“更新凍結”を遵守していたものの、非改選組や衆議院議員は、選挙期間中もツイッター等でつぶやいていた例は多数見受けられました。
政党では、自民党の弱視者用白黒反転版や音声版マニフェストの導入、47都道府県別のローカルマニフェストや青年、女性、子供向けのターゲット別マニフェスト、さらにはiPodやiPone向けの電子書籍版マニフェストを掲載するなど、新しいツールに対応した意欲的な姿勢が窺えました。
公明党はそれらに加え、候補者サイトの充実度は各党の中でも抜群の出来でしたし、みんなの党のネット個人献金の充実、たちあがれ日本も結党から短期間ながらも応援団の紹介や動画の掲載など、党の構成メンバー全員の顔がよく見える構成になっていました。
民主党は正直なところ、昨年の総選挙並みの域を超えていなかったように思われます。
その他の動きとしては、大阪青年会議所がより多くの有権者の政治参加を促そうと、従前の公開討論会を今回から各立候補予定者の主張を政策毎に動画と文章で知ることができる「Web公開討論会」に切り替えたり、学生団体であるivoteがインターネットを使い、主に20代の投票率向上を目指すなど、さまざまな新しい動きも出てきていました。
今後、本格的なネット選挙が始まれば、「政党・候補者比較ドットコム」のような比較サイトも誕生し、一層賑やかな選挙戦が期待されます。
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