公示直後からの各マスコミの独自世論調査に基づく様々な情勢報道は、自民党の圧勝でした。こうした報道の繰り返しが、投票行動にどう影響を与えたかについて一言触れておきたいと思います。ご承知のようにアナウンス効果には通常(勝ち馬に乗る)バンドワゴン効果と(判官贔屓的な)アンダードッグ効果があり、今回は自民党圧勝に対する、アンダードッグもしくはリバウンドが働いたと解説する専門家がいます。そもそも、アンダードッグというのは、小林一茶のやせがえるがんばれ!を含め、ある種の同情票が集まることを意味しますが、これは民主党の海江田代表が比例復活もならず議席を失ったことからも明らかなように、ありえない分析です。では、なぜ、マスコミ予想通りに自民党は300を超えなかったのか?それは水位、即ち当選ラインの低下によるものだと思います。自民圧勝報道の刷り込みで、少なからずの自民党支持層が寒い思いをして投票に行かなくてもどうせ、自民が勝つんだから、といって棄権されたものと推測します。その結果、それなりに集票していた野党の候補者が浮上したわけです。そういう意味で、コアな自民支持層を油断させたというアナウンス効果はあったといえるかもしれません。
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